米国でAIフリーランスとして独立して1年が経った

Posted on 2020-06-10(水) in Career

この記事は、私が米国で AI フリーランスとして独立してからちょうど一年が経った 2020年2月 に書いた My First Year as a Freelance AI Engineer という記事を、自分で日本語に翻訳し、その後数ヶ月に起こったことを踏まえて加筆・訂正したものである。

シアトルにある WeWork Labs

はじめに

今週をもって、フルタイムの仕事を退職し、ML(機械学習)と NLP(自然言語処理)を専門とするエンジニア・研究者(以下では単に「AI エンジニア」と呼ぶ)として独立してからちょうど1年が経った。これまでのところ、独立してとても良かったと思っているし、自分の仕事人生の中でもかなり生産的な1年だったと思う。ここ1年で、以下をはじめとする様々な成果を上げることができた:


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スタートアップを退職し米国でMLエンジニアとして独立します

Posted on 2019-02-17(日) in Career

先週をもって、これまで4年間勤めた Duolingo (デュオリンゴ) を退職した。

アメリカの非日系のスタートアップで働くこと、退職すること、そしてアメリカで機械学習エンジニアとして独立することなど、こういった話はあまり出てこない(そもそも日本人の前例があまりない)ので、誰かの役に立つかかもと思い、これまで4年間のまとめも兼ねて書いてみる。

最終出社日に外から撮影したオフィス

「ロケットシップ」で働くということ

ご存知の無い方のために書いておくと、Duolingo (デュオリンゴ) は、現時点で世界で最も人気のある語学学習アプリである。2018年の時点で3億人以上の登録ユーザー、2500万人以上の月間アクティブユーザーが居る。米国ペンシルバニア州ピッツバーグに本社があり、自分も入社以来ピッツバーグ在住である。

ユーザー登録フォームなどで、歪んだ文字を読ませてボットか人間か判断する「CAPTCHA」を発明したことで有名なカーネギーメロン大教授 Luis von Ahn 氏と、彼の当時の Ph.D 学生であった Severin Hacker 氏が創業した。

日本語からは現段階で英語しか学べないが、表示言語を英語に設定することで、スペイン語・フランス語・ドイツ語・中国語・日本語などメジャーなものから、エスペラント・クリンゴン語・ハワイ語 …


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大人になってから自由を手にする方法、または話題性とキャリア資本の重要さ

Posted on 2017-09-07(木) in Career

自分も今年で35歳になったのだが、最近になって特に、そろそろ本気で「あたまがちょっとおかしい」と周りから思われるような、少し大きなことをやっていかないと、割と「普通の人」で人生がいつの間にか終わってしまうのではという危機感が常にある。その一環として、今年は「韓国に一ヶ月滞在して、インタビューを受けることができるぐらい韓国語を上達させる」という目標を立てて、8月頭に実際に実行に移した。今日でアメリカに帰ってきて2週間ほど経つが、この「ミニプロジェクト」を企画して本当に良かったと思っているので、企画・実行するにあたって、考えたことや気づいたことなどを日記も兼ねて書いておきたい。

「ちょっと韓国行ってくる、しかも一ヶ月」

自分は今、Duolingo という、世界最大の外国語学習アプリを開発しているアメリカのスタートアップで、ソフトウェアエンジニア兼リサーチサイエンティストとして働いている。普段は、自分の自然言語処理や機械学習の専門を活かして、データ解析英語検定試験の開発などのプロジェクトに主に関わっているのだけど、外国語学習や教育、特にアジアの言語が好きなこともあり、今年5月に Duolingo からリリースした日本語コースの設計では中心的な役割を果たした。そこで得られた知見を活用して、ちょうどその時点で既に開発中であった韓国語のコースに自ら関わり始めたのが事の発端である。韓国語は前から興味があり少しだけ勉強していて、もっと真剣に勉強したいとずっと思っていたという自分の興味にも合っていた。

また、弊社はマーケティングにほとんど予算を使わないことで有名で、凄腕の広報チームが …


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